しめ鯖は自分で作った方が美味しい 作り方とアニサキス対策

美味しいしめ鯖は売ってない

しめ鯖大好きです。

でも、市販で売っているシメサバは、買う気になりません。通販で買った高級シメサバでも、私は満足できません。

以前、冬にアジを釣ろうとしてサバが釣れました。生で食べるのも怖いので、しめ鯖にして食べることにしました。とは言っても初めて作るしめ鯖ですので、うまくいくわけないと思っていました。

見栄えが悪いけど出来上がったしめ鯖を食べてびっくりしました。めちゃくちゃ美味しかったのです。

しめ鯖作りに興味を持った私は、その後ネットで、「しめ鯖 美味しい」 で検索し、高級で美味しいと言われるしめ鯖を注文しまくりました。でも、あの時自分で作ったしめ鯖を超える味が見つかりませんでした。その後も自分でしめ鯖を作りましたが、やはり美味しいですし、子供たちが私の作ったしめ鯖以外食べなくなってしまったことが何よりの証拠です。

そこから、しめ鯖の研究が始まりました。

今日は美味しいしめ鯖の作り方とサバの仕入れの話  冒頭の写真は私が作った炙りしめ鯖です。

しめ鯖とアニサキス

まずは、自分でシメサバを作るとなったら、押さえておきたいのがこの部分。アニサキスです。

少し調べてみると、

  • 西日本のサバは東日本のサバに比べてアニサキスが体内に入ってしまう確率が低い
  • 太平洋、日本海 九州近海では、アニサキスの種類が違う。
  • 太平洋のアニサキスは、のたうち回る苦しさを引き起こす可能性がある。
  • 養殖のサバはほとんどアニサキスがいない
  • アニサキスは肛門付近に生息している。
  • 死後、筋肉に入り込むのですぐに内臓を取り出せば問題ない←※これ多くの人がそう思っているが続きをお読みください)
  • 生きているうちから、筋肉にアニサキスが入り込んでいることもある(体験済みプラス学会でも言及あり)
  • 美味しいサバほどアニサキスに寄生されやすい。

福岡のゴマサバが有名なのに、関東でなかなかお目にかかれないのは、アニサキスの種類が西日本と東日本で大きく違うことが理由のようです。

西日本に移住することができれば良いですが、そうもいきません。どこに住んでいても、これから自分の手で安全なしめ鯖を作り、人に食べさせて美味しいと言っていただくことをイメージされているのであれば、確実にアニサキスのリスクをゼロにしなければなりません。

私は勝浦で真冬の寒サバを自分で釣り、釣り上げて即、船上で活け締め、血抜き、内臓抜きをし、すぐに塩氷で冷やして5時間後に自宅で捌きました。この一連の流れは史上最強のアニサキス対策だったと自負していました。しかし、一部のサバの筋肉の中から、アニサキスを発見しました。これは、生きているうちから筋肉の中にいたと思われます。学会でも、その可能性を疑うような証拠があると議事録が残っています。

こう言ったことがあったので、私はシメサバを作るときは、必ず冷凍工程を入れます。

鯖のアニサキス対策 冷凍時間は?

アニサキスを唯一死滅させる方法、それは 冷凍か加熱です。シメサバであれば、冷凍一択ですね。では、どのくらいの時間凍らせればアニサキスが死滅するのでしょうか?

  • −20度以下で24時間以上凍らせる
  • −18度以下で48時間以上凍らせる(アメリカの基準では7日間)

家庭用の冷凍庫は-18度が一般的ですので48時間必要です。24時間では足りない可能性がありますのでくれぐれもご注意ください。

私は最低3日、(72時間)凍らせます。人にあげる場合はもう少し冷凍庫です。
また、冷凍による細胞破壊を最小限にするために、必ず急速冷凍モードで冷凍させてください。
解凍方法は、食べる日の朝に冷蔵庫に移動です。夕方ごろには食べごろになっていることでしょう。

しめ鯖に向いているサバ

具体的に、シメサバにしたら美味しかったサバをランキング形式で出します。

1位  天然 千葉外房冬の豚サバ    釣り船
2位  養殖 みかんサバ 柑橘サバ  1尾 2,300円
3位  天然 市場で仕入れた冬のサバ 1尾   2,000円
4位  養殖 宮崎県 ひむか本さば  1尾   1,200円

(2の価格は関東地方のスーパー価格、それ以外の価格は2020年現在)

サバの一番美味しい季節はなんと言っても冬、寒サバです。千葉の外房では、寒サバのシーズンになると、豚サバと呼ばれる1キロ以上の丸々太ったサバが回遊します。これがもう脂まみれ。最高に美味しいです。

養殖で言えば圧倒的に宇和島産みかんさば。豚鯖までとはいきませんが、年間を通じて丸々太ったサバです。

私が住んでいる関東南部では、生食用のサバにお目にかかることは簡単ではありません。そのため、定期的にひむか本さばをネットで注文して、生サバの美味しさを楽しんでいます。

また、最近はスーパーでも魚コーナーだけは水産会社に運営を委託しているスーパーが多く、地域によっては魚が美味しいスーパーがあったりします。そう言ったところを見つけて購入しています。

養殖は脂が強すぎるというお話をよく聞きます。確かに刺身で食べると脂が強すぎますが、それが酢でしめられると、いい感じに仕上がるのではないかと思っています。

味も安定しておりますので、養殖のサバはシメ鯖に限らず、おすすめ です。

美味しいしめ鯖の作り方

早速参りましょう。

砂糖締めでまろやかに

砂糖締めをすると、滑らかな味わいになりますのでおすすめです。塩と酢の味だけだときついので、砂糖でマイルドにします。甘さがサバに入ることはありませんのでご安心を。

  • サバの表面の汚れ、膜を包丁で落とす。
  • 3枚に下ろす
  • タッパーに砂糖を0.5ミリくらい敷いておき、水気を切ったサバを乗せる。
  • 上から砂糖をぶっかけ、サバを見えなくする。
  • ここから砂糖締め45分 冷蔵庫
塩締めで完全脱水
  • 砂糖締めが終わったら、水洗いしてよく水気を拭いてください。
  • その後砂糖と同じ方法で塩締します。45分 冷蔵庫
冷凍でアニサキス対策
  • 水洗いしてよく水分を取る(ここ重要)よく水分をとってください。
  • リードなどのキッチンペーパーで包み、ビニール袋に入れて掃除機やホースなどで軽い真空状態を作る。もしくは、リードで包んだ後、サランラップで空気が入らないように、潰さないように 包む。
  • 急速冷凍モードにし、冷凍庫でしっかり72時間冷凍する。
冷蔵庫で8時間 解凍後の水分は完全除去
  • 冷蔵庫で自然解凍後、出た水分を拭き取る。
  • 水分を拭き取り、中骨を抜き、皮を剥いて、切って盛り付け。完成です。
ポイント
  • 砂糖と塩の時間は、45分を基準に調整してください。砂糖の時間はまろやかさ、塩の時間は塩気の調整です。
  • 工程ごとに水気はしっかりと拭き取ってください。特に冷凍前、解凍後はペーパーでしっかり水分を拭き取ってください。付着している水分が、全て旨みを壊すと思ってください。
  • 真空はする必要はありませんが、空気に触れている時間と場所が腐敗が進行します。少しでも腐敗を遅らせることが、一味違うしめ鯖への道です。私は真空パックの機械で、ソフト真空にしてから冷凍します。
  • 私はひむか本鯖は業者から直接仕入れて、刺身でも食べます。そう言ったサバの場合、私は冷凍の工程は飛ばします。あくまで自己責任でお願いします。
冷凍の裏技

冷凍をすると凍っていく過程で細胞の壁が破壊されます。氷までに時間が長ければ長いほど、壊れる壁が大きくなります。解凍した時にそこから細胞内の水分が出てきて、冷凍商品独特の嫌な匂いやパサパサ感につながります。今、業界では、液体窒素を使った急速冷凍が流行っています。一瞬で凍るため、細胞壁の破壊もほぼ起こらず、解凍しても鮮度や水分を維持できるというものです。

ほしい、でも自宅に液体窒素は危険すぎる。

そんな中、見つけたのが、こちら

家庭用冷蔵庫に入れ、特殊溶液が入った袋の間にシメサバを挟み込むという方法で、家庭でも急速冷凍させることができます。もちろん、通常の冷凍庫で凍らせたものとの解凍後の差は一目瞭然。解凍時も水がほぼ出てきません。ぬるいビールや肉や野菜などにも活用しており、私よりも妻の方が使い頻度が多いと思います。

 

 

とにかく、良いサバを仕入れる。これが第一です。天然物は時期や仕入れるる場所によって品質がまちまちです。なので私は、養殖か、自分で釣った物したシメサバにしません。

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鯖以外にも、埼玉でうまい魚を食うというテーマで、試行錯誤しております。詳しくは、インスタをご覧ください。