釣った魚の血抜きをためし続けること3年
自分で釣った鯛。これ絶対うまいやつと思って食べたのに、衝撃的に不味かった経験から、釣り上げた後の魚の処理を学び、津本式公認を取り、釣りに行くたびにいろいろな方法を試している「いしだ」と申します。
最近は歳のせいか、釣行にいくのも少し気合いが必要になってきました。同時に、50匹のアジを全て津本式をするような体力も無くなってきました。
釣りも仕事も、いかに楽をするかということに頭を使うようになっているおいらです。
今日はそんな私が考える、最新の血抜き方法をご紹介します。
血抜きしたものとしないもの、味の違いがあるのか?
50匹のアジを全て津本式した時もあれば、簡易血抜きだけの時もあります。その2つを比較してみると、「魚が新鮮でかつ、5日以上の熟成をしないのであれば、血抜きをしてようがしていまいが、さほど味に変化がないと気づきました。
最近津本さんも、津本式や熟成で魚が長持ちするのであり、これをするから上手くなるということではないという表現を使っております。熟成させると、魚を無駄にせず、コリコリ以外の楽しみを味わえることが、最大のメリットということになるわけです。
私は最長30日の魚の熟成の経験や、釣り上げ直後から7日目まで毎日食べてみて、一番美味しい日数を家族の反応を見ながら見極めたりしています。
長期熟成をしないのであれば、血抜きは程々でよいということになりますね。
私の中での血抜きの結論
現在私が実施している血抜きは、釣り上げたら即エラ切り→15秒バケツでふりふり→冷やし込みです。
脳絞めはやってもやらなくても変わらないので、太刀魚などの危険な魚は脳天殴打で黙らせてからエラを切ります。神経絞めも、死後硬直を遅らせたり、味の差を感じたりすることは体感的に無かったので、今は実施していません。
釣り場での作業量、持参する道具などを考えても、あまりこだわりすぎるとせっかくの釣りなのに楽しみより疲れが上回ってしまいます。
私は経験上、こだわっても私の力量では味に差を生み出すことはできないと自負しているので、今はこの方法で納得しています。
水道水が魚に変化をもたらす
気仙沼産のカツオをわざわざ取り寄せて捌いた時です。水道水をたくさん使って処理し、柵の状態にして6時間冷蔵庫で放置してから夕食で食べたのですが、なんとなく違和感があり、私の処理で魚のクオリティを下げてしまったのかなと感じた日がありました。また、釣った直後のアジを水道水を大量に使って処理し、すぐに刺身にしたときも、強烈な違和感を覚えた日がありました。
水道水がひょっとしたら、魚に悪い影響を及しているのではないかと疑念を抱いたのは、このわずか2回の経験が強烈に印象に残っているからでした。
そんな中、その疑問を解消してくれたのが、Youtube つり鮮 ぴっちぴちTVチャンネルでした。
水道水が、目に見える形で魚の色に変化をもたらす映像は、衝撃的でした。味に影響があることは、上記の2日で私は経験済みなので、この映像は、私を「魚に水道水を極力使わない派」にするには十分な内容でした。
魚の冷やし込みは西田の鬼絞め
魚を釣った海域の海水を、水道水を混じらせることなく冷やし込み、釣り上げた魚をすぐにそこに入れる=西田の鬼絞め
すいどうすいをまじらせないために、2リットルのペットボトルを凍らせて持参し、船宿からもらう氷も砕いて2重袋に入れて管理します。
重たいですけど、その冷海水と魚をクーラーに入れたまま持ち帰ります。
冷海水にドボンしたまま持ち帰って驚いたこと
めちゃくちゃ重たくて、途中で海水捨てたくなるんですけど、頑張って持ち帰ってみてください。
埼玉の自宅に帰ってクーラーボックスを開けた時、魚臭さがほぼない。そして、目の輝きが、釣った直後とほぼ変わらない。この2つは、すぐに実感できる効果と言ってもよいでしょう。驚きました。
先日は太刀魚をこの方法で持って帰りましたところ、鏡面銀がまだ残っていました。太刀魚は釣ったっ直後は鏡のような銀色をしていますが、市場に並んでいるものでさえ、すでにその鏡面感は無くなります。それほど、銀色を維持するのは難しい魚です。それが釣って10時間経っても、鏡面銀がまだ残っているという効果を目の当たりにすると、この冷やし込みってほんとにすごいなと思います。
おすすめの血抜き方法と道具
釣り上げ→エラ切り→バケツで軽くふりふり→冷海水にドボン→冷海水ごと自宅に落ちかえる。
冷海水(ペットボトル氷と船宿などでもらう氷を袋に入れたもので間接的に海水を冷やす)
袋は2重3重にしてください。歯やヒレなどで、袋が破けて溶けた水が流入していると、一日ブルーになります。
自宅に帰っても、特に血抜きは行いません。
これが今の所一番バランスが取れた作業かと思っています。
魚を絞める道具
アイスピックっぽいものとかも売っていますが、私は津本式の目打ちを使っています。これはうなぎ用の目打ちですが、作った方のクオリティも伝わってくるし、デザインもかっこいいし、機能的にも申し分ございません。
エラ切りプラス脳じめのナイフ
こちらはアジ絞め専用ナイフとして販売された津本式道具のひとつですが、切れ味、締めの簡易さが他にないものがあり、高いだけのものはあります。私はアジにも使いますが、カワハギの肝を傷つけないエラ切り道具としても重宝しています。
鱗と血あいをスマートに取り切る
血あい?正確には腎臓かと思いますが、この道具は本当に素晴らしいです。特に太刀魚を捌く人には100%買ってほしいですね。一瞬で血合いが綺麗になります。
津本式包丁
切れ味がすごいです。研ぎまくった後、小指に当たってしまったことがあったのですが、キレすぎて血が止まらず、完全にくっつくまで時間がかかりました。今でも傷跡が残っています。包丁の先のデザインは、魚を捌いていればその理由がわかります。
インスタで釣行動画あげていますので、よろしければそちらもご覧ください。